コロナ禍の日本でも「億超え」を果たしたサラリーマンは350人以上いる(東京商工リサーチ調べ)。本誌・週刊ポストが上位200人について調査したところ、1位はソフトバンクグループのサイモン・シガース元取締役の18億8200万円、2位はソフトバンクグループ副社長のマルセロ・クラウレ氏の17億8500万円。庶民からすればうらやましい限りだが、上位にランクインした人たちの中から何人かピックアップして、その知られざる素顔に迫ってみよう。
まずは40代の若さでランクインした面々から。
2012年、史上最年少の37歳で執行役員となり注目を集めたリクルートHD・出木場久征社長(46位)。もともとは「高級外車を乗り回すことが喜び」で、家庭を顧みるタイプではなかったが、30歳で重病を患ったことで考えが一変。「昔は長時間飲みに行ってとことん話すようなことも多々あった」と仕事に猛進していたが、今は料理研究家の妻の手料理を食べるため「平日でも週に2~3回は自宅で夕食を摂るようになった」と明かしている。
46歳のZホールディングス・川邊健太郎社長(61位)もオフの時間を大切にする。海釣りが趣味で、2012年には千葉県館山市の廃屋だった民宿を購入し、自ら直して転居。房総沖に地元の仲間と釣り船を繰り出している。
楽天でプロ野球のイーグルス立ち上げに携わった経歴を持つ同社の小澤隆生専務(131位)も釣り好きで、千葉県一宮町に「Fish & Trips」というホテルを個人で経営している。
45歳のミクシィ・木村弘毅社長(121位)は、世界的にヒットしたゲーム『モンスターストライク』を立ち上げ、業績が悪化していた同社の「救世主」と呼ばれた。2018年に大抜擢で社長に就任。その傍ら、母校早稲田大学の大学院に入学、今年3月に修了するまで、学生と経営者という二足の草鞋を履いていた。
ランクインした女性は2人だけだった。1人は、コーエーテクモHD・襟川恵子会長(138位)である。美大出身で夫(陽一社長・114位)と同社を立ち上げた襟川氏は、ゲーム業界で働く女性の草分け的存在だ。