前出・中島氏が指摘する。
「謙遜も度が過ぎるとマイナスに働きます。採用する側からすれば頼りなく感じてしまう。同じようなパターンで、希望給与額を低く言う人もいますが、企業からは“能力も仕事への意欲もその程度なのだろう”と判断されることがあります。自分自身を低く見積もるのは避けるべきです」
書類選考の段階で落とされる履歴書
そのほか、各業界の人事担当者が嫌う傾向として「仕事内容や給与の下調べをせず面接に来る」(運送)、「専門知識をひけらかす」(金融)、「清潔感がない」(飲食)、「タバコの臭いがする」(小売り)などが挙げられた。
「年齢相応の見た目がマイナスになることはありませんが、清潔感の有無は大きな要素になります。また、最近ではタバコの臭いはNG。身なりだけでなく、見落としがちな“臭い”にも気を配るようにしたい」(中島氏)
履歴書が採用に大きく影響することもある。電気設備会社の人事担当が明かす。
「汚れていたり、“使いまわし”が明らかな履歴書、文字が震えている、字が汚い(丁寧に書こうとした痕跡が見られない)場合は書類選考の時点で“ご縁がない”と判断します」
かつて、履歴書は「手書き」が当たり前とされていたが、昨今は、パソコンで作成した履歴書を好む企業も少なくない。どの職場でも簡単なパソコン操作をする場面が増え、スキルの判断材料になるからだ。そのほか、履歴書を作成する上で留意すべき点はなにか。
「社会人のキャリアが長い人は、履歴書や職務経歴書も長くなりがちですが、相手が見やすく簡潔にまとめることが重要。前の会社での表彰歴を書く人もいますが、転職先でも同じ活躍ができる指標にはなりません。そうしたことより“顔写真の裏に名前を書く”など、常識的なことがきちんとできているかが、履歴書では重要なポイントになります」(中島氏)