夏に食べたくなる定番のアイスのひとつが、氷菓「ガリガリ君」。年間約4億本を販売しており、これは日本人1人当たり年間3本以上食べている計算になる。まさに“国民的アイス”と言えるガリガリ君は、今年で販売開始から40周年となる。さらに「ガリガリ君」を製造する「赤城乳業」も創業90周年。そんな記念すべき年を迎えた今、「ガリガリ君」と赤城乳業の軌跡を辿る。
「ガリガリ君」は片手で食べられる“かき氷”
「1931年に創業、1961年に法人設立した赤城乳業は当初、『赤城しぐれ』というカップのかき氷が主力商品でした。これを、“遊びに夢中な子供が片手でも食べられるかき氷にしよう”と開発されたのが『ガリガリ君』でした」
そう話すのは赤城乳業の開発マーケティング本部・岡本秀幸さん(「」内以下同)。かき氷の表面をアイスキャンディーで固めて崩れないようにし、棒を刺して作られた「ガリガリ君」は、カップのアイスクリームやかき氷が主流だった当時において、画期的だった。
「それまで、スプーンを使って食べていたかき氷は、家で食べるものと思われていました。ですが、真夏の炎天下で遊んでいる最中や、銭湯帰りに歩きながらなど、場所を選ばずに食べられるようになり、人気を呼びました」
しかし、40年前に斬新だった“かき氷アイスバー”も、いまや珍しくはない。人気が衰えない秘密は何か。
シチュー、たまご焼き…奇抜なフレーバーも話題
「『ガリガリ君』は数年おきに突き抜けたフレーバーを限定販売しています。例えば、コーンポタージュやナポリタン、シチュー、たまご焼き、グリーンスムージー、いちご大福、温泉まんじゅう味など。他社が絶対にやらないことをあえてやる。遊び心を表現しようという意味合いもあります。その結果、新しい味に挑戦すること自体が楽しみとなったり、今度はどんな味が出るんだろうと期待されるようになりました」