老後も住み慣れた自宅に住み続けたいと考える人は多いだろう。その際のポイントは自宅どう改修するかだ。ファイナンシャルプランナーの高橋ゆり氏は、「バリアフリー改修は制度利用の面から元気なうちにやっておくのが基本」と語る。各種助成金を得るためには、事前の申請が必要になる。
「50代から60代前半の現役の時に自宅のバリアフリー改修を行ない、『住宅特定改修特別税額控除』や、『特定増改築等住宅借入金等特別控除』が適用されれば、所得税負担が大きく軽減されます」(高橋氏)
前者の「住宅特定改修特別税額控除」は、かかった費用(最大200万円まで)のうち10%が所得税額から控除される。
「特定増改築等住宅借入金等特別控除」は、リフォームのためのローン(最大1000万円のうち、バリアフリー改修は250万円まで)を5年以上で組むと、年末ローン残高の2%(最大12万5000円)が5年間控除される。
65歳以降に要介護認定を受けると介護保険サービスが利用できるようになり、工事費の7~9割(最大18万円)が助成されるが、要介護認定を受けなくても利用できる制度もある。
「自治体によっては、独自の助成金制度があります。名称は自治体により異なり、たとえば東京都千代田区の『介護予防住宅改修等給付』は、要介護認定を受けていない65歳以上を対象として、バリアフリー改修工事費の9割(限度額18万円)が助成されます」(高橋氏)