さらにビックリしたのが、4LDKの部屋に1台もエアコンがなかった点です。この暑い日本の夏を考えたら5台のエアコンを設置する必要がある。素晴らしい部屋ではあったのですが、「一挙に9か月分+5台のエアコン代」という支出を考えると、この部屋は諦めざるを得ませんでした。
後に福岡在住の別のライターに聞いたのですが、「九州の一部ではエアコンがついていないのは普通によくあることです。引っ越す時に持って行って、次の家で自分で取り付けるんですよ」とのこと。
大都市圏なら都市ガスが当たり前だが…
こうした意外な出費があることに加え、光熱費も都会の方が安く済みます。インフラというものは、人口が多ければ多いほど安くなるもの。冒頭で登場したA氏(福岡在住)と意見が一致したのもこの点でした。水道・電気料金は2~3割ほど高いですし、ガス代はもっと割高です。というのも、大都市圏なら当たり前の都市ガスが地方ではそこまで普及しておらず、プロパンガスのところが多い。そんなこともあって、ガス代は同じ量を使用した場合、2倍以上かかります。そのため、今は煮込み料理を減らしたり風呂の時間を短縮するなど、節約を心がけています。
これらを考慮すると、たとえ地方の家賃が安くても、生活していく上での出費はそれなりにのしかかって来るのではないでしょうか。まあ、私の場合は、今思えば東京で借りていた部屋の家賃が高すぎたこともあって、月々の生活費は激減しているのですが。
もう一つ地方に来て高いと感じるようになった意外なものが果物です。以前はスーパーでグレープフルーツやオレンジなどの輸入モノを安く買っていたのですが、地方だとハブとなる港からの流通コストもかかるせいか、それが上乗せされて割高になっている印象です。グレープフルーツについては、東京では6個398円で買うのが普通だったのですが、唐津では1個150円ぐらい。ただし、セールでは1個79円という激安価格もありました。
もちろん、新鮮なアジが8匹298円、大葉が50枚ほどで100円など、魚と野菜は無茶苦茶安いです。それはやはり地元で採れるからですね。前述した果物の高さについても、地元のビワやイチゴを買えばそれは安いです。