秋から冬にかけて、クリスマス商戦のため、荷動きがもっとも盛んになる時期である。
一方、米国でも新型コロナウイルスの新規感染者数が7月に入り急速に増えている。感染力の強いデルタ型変異株が流行し始めているからで、バイデン政権はワクチン接種の徹底を呼び掛けている。しかし、ワクチン接種を拒否する若者など、反対派は少なくない。ワクチン接種後にも感染する者がいるなど、ワクチンに100%感染を抑制する効果があるわけではない。
こうした状況で、需要の拡大が抑えられる可能性もあるが、それ以上に、港湾労働者の確保が今後も遅々として進まず、供給側に重大な支障をきたすリスクの方が大きい。
今年後半の米国株市場にとって、コンテナ船運賃の上昇が思わぬリスクとなりかねない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。