両親の顔色をうかがいながらマスク着用生活をしている飯島さんだが、一つだけ両親に反発していることがあるという。それは、子供のマスク着用についてだった。
「3歳の長男は屋内施設を利用する場合はマスクを着けさせますが、1歳の次男には着けさせません。そんな孫たちが両親は気になるようで、会うたびに子供用の不織布マスクを渡してくるんです。特に次男はまだ1歳なのでサイズが合わず、顔の半分以上が覆われてしまう状態。顔に密着させられない以上マスクの意味がないので、無理に着用させるのはやめて欲しいと何度も伝えていますが、私の声は届いていないようです……」
日本小児科学会では、2歳未満のマスク着用について、呼吸や心臓への負担、窒息や熱中症のリスクが高まることから、特に気をつけるよう呼びかけている。厚生労働省も、子供一人ひとりの発達の状況を踏まえなくてはいけないことなどから、一律にマスク着用を求めておらず、〈持続的なマスクの着用が難しい場合は、無理して着用させず、外すように〉としている(厚労省事務連絡「保育所等における新型コロナウイルスへの対応にかかる Q&A について(第十報)」より)。
「コロナをきっかけに、人の目がすごく気になるようになりました。私の感染対策は甘いんじゃないか、誰かに悪者扱いされているんじゃないか……。感染者数も増加傾向にあり、医療崩壊のニュースも耳にします。この生活から解放されるのは、まだ先かもしれませんね」
ワクチン接種が進む一方、続々と出現する変異株の感染力の高さなどもあり、8月以降の新型コロナ感染者数は過去最多を更新し続けている。飯島さんの話を聞いていると、コロナに感染することはもちろん怖いが、それと同じくらい人の目も恐ろしいと感じた。