カップ麺の代名詞ともいうべき『カップヌードル』が今年、発売開始から50周年を迎え、同ブランドで世界累計販売500億食を達成したと発表された。子供のおやつに、忙しくてご飯が作れないときに、受験勉強の夜食に、災害時の保存食にと、多様なシーンで食べられてきたこの“国民食”。あなたはどんな思い出を持っているだろうか。
『カップヌードル』の思い出を、46才女性(パート勤務)はこう語る。
「カップヌードルといえば、試験勉強中の夜食にしていました。親に内緒で夜中にラーメンを食べるという背徳感から、“青春時代の秘密の味”という印象があります。いまも家族がいないときに無性に食べたくなります。ちょっと悪いことをしているというドキドキ感が、いいスパイスになるんですよね」
発売当初は“未来の食べ物”という印象
湯を注ぐだけでできる『カップヌードル』は、わずか3分で、誰にでも簡単に作れるという手軽さ、そして長期保存できるという点から、常備している家庭も多いようだ。現在は、世界100か国以上で販売されており、多くの人々に受け入れられているが、発売当初はセンセーショナルだったと、即席麺評論家の大山即席斎さんは言う。
「『カップヌードル』が登場する前のラーメンといえば、どんぶりに入っているのが普通でした。そんな時代に、カップに入った麺をフォークで食べるという、スタイリッシュなカップヌードルが登場したので、“斬新だ”と話題になりました。発売の前年の1970年に開催された大阪万博では、未来を感じさせる展示にワクワクしたものですが、カップヌードルもまた“未来の食べ物”という印象を与えてくれたんです」(大山さん)
麺を“ヌードル”と表したのも即席麺では日本初。聞きなれない言葉に多くの若者が心を奪われた。