麺もスープの味も50年前からほとんど変わっていない
当初は、「若者向けの未来食」というイメージを持たれていたカップヌードルが、老若男女問わず食べられるようになり、50年間も不動の人気を守り続けてきた理由は何か。
「レギュラーのしょうゆ味は、麺もスープの味も50年前からほとんど変えていません。よりよい商品にするために、議論や検証を重ねてきましたが、味はもちろん、具の大きさ、ふたを開けた際の彩りといった印象まで、ファンが求める『カップヌードル』らしさを追求すると、発売当時と変わらない形に落ち着くんです」(日清食品マーケティング部・白澤勉さん)
いつ食べてもあのときのまま、というのが、人気の礎になっていたのだ。“定番の味は、変えない”という姿勢を貫く半面、個性的な商品も開発しており、現在は約30種類も販売している。
「私はチリトマト味が好き。アレンジして食べているのですが、おすすめは、鍋に水と角切りにしたトマトを入れて熱し、トマトが少し煮崩れたところで、湯ごとカップに注ぐレシピ。セロリを入れてもおいしいですよ」(大山さん)
さらに近年は、減塩や低糖質タイプも発売されたことで、高カロリーで体によくなさそうというイメージも薄れ、女性ファンも増えているという。時代の変化を意識しつつ、さらに50年先を見据えた提案を続けているのだ。
取材・文/上村久留美
※女性セブン2021年9月2日号