吉田みく「誰にだって言い分があります」

「みんなどうするんだろう」 2学期を前に「登園自粛」を迷う保護者たちの声

文科省は「一斉休校は行わない」というが…(イメージ。Getty Images)

文科省は「一斉休校は行わない」というが…(イメージ。Getty Images)

 過去最大となった新型コロナウイルス感染拡大第5波。夏休みが終わり2学期が始まろうとしているが、いまだ収束の兆しは見えて来ない。政府は東京はじめ全国21都府県を対象に緊急事態宣言を発令中で、これらの地域の住人は全国人口の75%に相当するという。第5波では若年層や学齢期である10代以下にも感染拡大が見られることから、「夏休みの延長」や「臨時休校」「分散登校」などの対応を始めた自治体・学校も出ている。フリーライターの吉田みく氏が、幼稚園や保育園に子供を通わせる母親3人に話を聞いた。

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 感染者数が増えるなかで問題視されているのが、10歳未満の感染の増加だ。子供の重症化リスクは低いと言われているものの、一人ひとり健康面の事情は異なる。大切な我が子を守るため、幼稚園や保育園の“登園自粛”をすべきか心が揺れる3人の母親たちから話を聞くことが出来た。

 都内在住の自営業、多田明日香さん(仮名、34歳)は、登園自粛をしてしまうと生活が成り立たなくなると嘆いていた。在宅で翻訳の仕事をしており、夫と4歳と1歳の息子の4人家族である。

「保育園で一緒のママ友から『登園自粛する?』と、連絡がありました。今のところ考えてはいない旨を伝えると、『災害レベルって言われているのに? 心配じゃないの?』と、言われてしまったんです……」(多田さん)

 多田さんの話によると、連絡をくれたママ友は育休中のため自宅での保育が可能だという。一方、在宅での仕事がメインの多田さんが登園自粛をすれば、子供の世話を一日中しながら、同時に仕事も進めなければいけない。

「重要な資料を取り扱うことも多いので、仕事中に育児をするのは避けたいのが本音です。私の場合、登園自粛をするということは収入が途絶えることにもつながりかねない。業務委託のため誰も休業補償はしてくれません。子供のことはもちろん心配ですが、生活を維持するために働き続ける必要があるんです」(同前)

 自分の中では考えを固めている様子だった多田さんだが、どうしてもママ友からの「心配じゃないの?」の言葉が頭を離れないそうだ。今後は状況を見て柔軟に対応できるよう、いま抱えている仕事をできるだけ早く片付けるよう頑張りたいと話していた。

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