父親が亡くなり、遺産は自宅(評価額3000万円)と銀行預金1000万円。父親は『自宅は同居する長男に、預金は次男と長女に500万円ずつ』という遺言書を残していたが、日付がなく、押印もなかった──。
「遺言書に形式的な不備があると、子供たちが権利を主張し合うトラブルにつながります。署名や押印、日付がないといった形式的なミスから、子供の名前や財産の内容が間違っているケースもある。
以前、『第一勧銀の預金は長男に、富士銀行の預金は次男に』と書かれた遺言書でトラブルになったことがありました。合併でどちらも今は『みずほ銀行』で、口座のある支店の系譜から類推はできたのですが、両行の預金額に大きな差があり、少なかった側が無効を主張しました」(吉澤氏)
※週刊ポスト2021年9月10日号