当初は誰もが、「汚れた下着を発見されたA君が、恥ずかしさのあまり、自ら“お山の大将”の地位を退いた」と考えていた。しかし、よくよく考えると不自然な点がいくつもあったという。
「先生方に聞くと、汚れたパンツを忘れ物コーナーに置いた人は見つかりませんでしたし、当時の6年生の間では『白いブリーフ=ダサい』という認識で、そもそも白いブリーフを履いている子はほとんどいませんでした。お漏らしをすると、保健室で貸し出されるのが白いブリーフだったので、白いブリーフを履いているだけで冷やかされるという事情もあったようです。
そもそも、汚れたパンツを人目に付く場所に置き忘れるというのがおかしいですし、隠せる場所もいくらでもありました。A君の横暴に耐えかねた誰かが、A君への復讐を図って汚れたパンツを用意したのではないかという憶測も飛びました」(Oさん)
いじめは絶対許されないが、もし、これがいじめられっ子の“謀略”だったとしたら、それはそれで、きちんと処分すべきだったのか……。その後、A君のいじめがぴたりと止んだのは良かったが、Oさんは何をどうするのが正解だったのか、いまだに結論が出ていないそうだ。