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ワタミ会長「政治家は飲食店を1軒も倒産させない補償制度を示すべき」

「我々だけがずっと犠牲になっている」というコメントも話題になったワタミ・渡邉美樹会長(撮影/山崎力夫)

「我々だけがずっと犠牲になっている」というコメントも話題になったワタミ・渡邉美樹会長(撮影/山崎力夫)

 2019年に6年間務めた国会議員を辞し、還暦を機に再びワタミの会長兼CEOとして経営の第一線に舞い戻った渡邉美樹氏。コロナ禍によって、ワタミの屋台骨の事業は居酒屋から焼き肉店へ大転換を図っている。その言動がたびたび話題を集める外食業界の名物トップは、飲食業界受難の時代の勝ち残り策をどう考えているのだろうか。

──現在、コロナ禍を受けて居酒屋から焼き肉店への業態転換を進めています。

渡邉:「クールジャパンの商材」になり得るということで、和牛には以前から注目し、研究していたんです。

 寿司や天ぷらは「日本食」ですが、和牛は「日本素材」。素材なら輸出しやすいし、あとはその国ごとの食文化にマッチした活かし方をしてもらえばいい。国際競争力の強さが和牛にはあると感じました。

──焼き肉店とともに「から揚げ」にも進出するなど攻めの経営を打ち出していく一方、渡邉会長は政府のコロナ対策に苦言を呈してきた。テイクアウト専門店「から揚げの天才」の100店舗達成セレモニー(7月8日)での「我々だけがずっと犠牲になっている」とのコメントが話題になりました。

渡邉:7月に発令された4度目の緊急事態宣言は現在も続いており、当社の直営居酒屋104店舗は完全休業しています。しかし、休業要請は発令のわずか3日前。これでは従業員のシフトや仕入れの調整をするうえで現場は多大な混乱と損害を被る。

 法的拘束力の伴わない「要請の限界」「制度の欠陥」がついに露呈してしまったと思います。

 飲食店やお酒が原因であるなら、きちんとエビデンスを公表して理解を求めるべきですし、営業権を制限する以上、一軒も倒産させない補償制度を示すべきです。そのうえで営業する店には罰則を強化すべきでしょう。

 担当大臣がグルメサイトを通じた“密告制度”を提案していたが、それこそ現場を知らないナンセンスな発言です。そもそも「緊急の一大事」というのであれば、閉会中の国会を開き、効果的な法整備を議論するのが政治家の役割でしょう。

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