節約してお金を貯める場合、食費や被服費などの「変動費」を削るより、月々の出費が決まっている「固定費」を削るほうが、節約効果は大きいという。住居費や通信費、保険料など、固定費は金額が大きいものも多い。自動車の維持費もまた、同様だ。
自動車の維持費は、車種によって大きく異なる。それでも、車両本体、駐車場、自動車保険、税金、ガソリン代などを含めると、年間50万~100万円かかるといわれる。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが言う。
「年間約100万円ということは、1か月で約8万円、1週間で約2万円もかかるということ。あまり頻繁に車に乗らない場合は、それだけのお金があればタクシーで生活することもできるかもしれません」
通勤や買い物で毎日車が必要な郊外に住んでいるならさておき、都市部に住んでいて、週末や休日にしか車に乗らないのであれば、マイカーを持っているのはデメリットの方が大きいかもしれない。
それなら、思い切って車を「シェア」してみるのはどうだろうか。自家用車を貸し出すサービスが増えているほか、交通エコロジー・モビリティ財団の調べによると、タイムズやオリックスなどの運営するカーシェアリングサービスの会員数は、2021年3月時点で220万人を超えている。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが言う。
「車種にもよりますが、マイカーの貸し出しは、1日あたり約3000~1万円ほどの収入になります。仲介手数料がかかるほか、貸し出している間に車にキズをつけられてしまう可能性などのリスクはありますが、マイカーの貸し出しは維持費のカバーにもつながる。副収入としてやってみる価値はあるでしょう」
最近は、新型コロナの感染対策のためにも、公共交通機関の利用を避けようと、自家用車の購入やレンタルを検討する人が増えているため、カーシェアリングはいわば売り手市場だ。