「からあげ粉」は小麦粉で充分
では、出来合いのからあげだけを避ければ、100%安全なのか──陰の主役「からあげ粉」にも、疑念は潜んでいるかもしれない。
市販のからあげ粉はさまざまあるが、原材料表示を見渡すと、「調味料(アミノ酸等)」や「チキンエキス」「乳化剤」などの名称が確認できる。このうち「調味料」とは、アミノ酸などからなる旨み成分のことを指す。2種類以上の食品添加物を合成してつくられていることを意味しているが、具体的にどの食品添加物を使用しているか表示があることは少ない。
「チキンエキス」という調味料は、鶏肉の旨み成分を抽出したもの。明記されていない限り、原材料の鶏肉がどの国で加工されたものなのか、細かい情報は知りようがない。
「乳化剤」は、水と油をなじませるために使用される添加物だ。大豆由来の「大豆レシチン」や、厚労省が「食品に添加する限りでは人体への悪影響はみられない」と発表した「グリセリン脂肪酸エステル」などの合成乳化剤も含まれるが、これも同様に一括表示が可能なため、どの国で加工されたどの物質が入っているのか、見分けることは困難なのだ。
おいしくて、安心できるからあげを食べるなら、鶏肉、揚げ油、粉に至るまで、すべて国産で揃えることはマスト。衣は市販のからあげ粉を使わなくとも、小麦粉や片栗粉で充分だ。そして何より、新しいきれいな油を使い、揚げたてを食べるのが吉。からあげだけは、手抜きをすると身を亡ぼすかもしれない──。
※女性セブン2021年9月9日号