先日、東京都が若者向けに開設した予約不要の渋谷区のワクチン接種会場に多くの若者たちが殺到し、300人以上の列を成したことが報じられた。その後、東京都はTwitterでオンライン抽選方式への変更を検討していると告知したが、こうした混乱は、若者たち皆が「打ちたくない」のではなく、「打ちたくても打てない」者も多いという現状を浮き彫りにしている。小池百合子・東京都知事は「ワクチンを若い人にも打ってほしい。若い人たちの行動がカギを握っているので、ぜひ、ご協力いただきたい」と発言しているが、当事者である若者たちはどう思っているのか。ワクチンの接種を希望する20~30代の声を聞いた。
「打ちたくない」=「打たない」ではない
「私も渋谷に行ってみたのですが、すでに行列ができていたので、諦めて帰りました。ワクチンを接種しに来て、感染したくないですから」
そう嘆くのは、千葉県在住で都内の私立大学に在学中の女子学生・Aさん(20代)だ。「地道に接種できる場所を探すしかないですね」と話す。Aさんによれば、接種済みの友人や他大の知り合いは、親のツテや大学での職域接種で打てたという人もいるそうだ。
大学の夏休み明けとなる9月後半までには打っておきたいというAさん。学生生活を安心して送るためには接種が不可欠だというスタンスだ。
「テレビで、ワクチンは打ちたくないという若者の声が紹介されていたり、打ちたくない人が多いというアンケート結果が報じられていたりしているのを見ましたが、あれで何を伝えたいのか、マジで謎です。打ちたくないなーと思っていても、実際に『打たない』と決めたわけではないでしょ。実際には、予約が取れないとか、遠い病院に行って打つ時間がない、みたいな感じじゃないですかね。私の周囲では、気軽に打てる環境があれば普通に打つという人が多い印象がありますよ。
私だって本音を言えば、打たないで済むなら打ちたくないです。でも、もしコロナにかかった時に、『あの時打っておけば……』と思いたくないから、私は『打ちたくないけど打つ派』です。確かに副反応はちょっと怖いけど、コロナに感染したり、後遺症で苦しんだりする方がもっと怖い。希望者がみんな打てるようになってほしいです」(Aさん)