『日本橋三越本店』お子様ランチ
1930年に、子供向けのメニューをと考案されたのが『三越食堂』の「御子様洋食」だ。「かわいい柄の皿、ご飯は富士山をかたどり頂上に三越の旗。栄養価の高いコロッケ、ハム、スパゲッティ、サンドイッチ」という記述が残る。現在は、本館7階『特別食堂』で「お子さまランチプレート」(2750円、大人注文可)などを用意している。
『丸善』日本橋店 ハヤシライス
明治初期、医師で『丸善』創業者の早矢仕有的が病気の子供や従業員の滋養をつけるために食べさせた、肉や野菜のゴッタ煮に白飯を添えた料理が出発点。「早矢仕さんのライス」と評判を呼び、1954年から日本橋店屋上の喫茶スペースで供されていた。現在は「早矢仕ライス」(1180円)として『丸善日本橋店3階MARUZENカフェ』で堪能できる。
流行の食を全国に広めた食の伝道師
さらに、外食と密接に関わる「食品サンプル」も、日本が発祥だ。
ショーウインドー内を彩りよく飾る食品サンプルは、大正末期から昭和初期にかけて日本で生まれた。食品サンプルメーカーの『岩崎』広報担当・黒川友太さんは、「昔はサンプルを作って地方で売り歩く時代がありました。たとえば、東京でタンメンが流行っていればサンプルを作って各地を巡り、『こんな料理が流行っていますよ』と広めていった。食品サンプルは、食の伝道師なんです」と語る。1970年代以降は、食の多様化が進むにつれ、オーダーメード化に切り替わっていった。
※女性セブン2021年9月23日号