首都圏を含めた大都市では「緊急事態宣言」および「まん延防止等重点措置」が日常のことになったが、この夏は地方都市でもそうした制限下で生活せざるを得なくなったところも多い。8月末に初めて「まん延防止等重点措置」が適用された都道府県のひとつに佐賀県があるが、該当地域の住民たちはコロナ感染拡大が始まって以降“初めての制限生活”をどう過ごしたのか。佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者・中川淳一郎氏がリポートする。
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私は毎月東京に出張に行く機会があるため、「緊急事態宣言」には慣れていました。基本的に東京の人はもう緊急事態宣言だろうが「まん防」だろうが「はいはい、いつものことね」的に扱っている印象です。
しかし、ついに私が住む佐賀県唐津市の旧唐津市(合併前の中心部)にも「まん防」が適用される日がやってきました。8月27日から9月12日までですが、さて、街は一体どうなったでしょうか。
東京を含めた大都市の方は「まぁ、緊急事態宣言だろうがまん防だろうがテキトーにやり過ごすだろう」と思うかもしれませんが、「まん防」初体験の唐津はそうではありませんでした。
本当に飲食店は一斉に閉まり、商店街は完全にシャッター街になったのです。私は2020年11月に唐津に引っ越してきたのですが、まさに2020年4月の緊急事態宣言下の東京のようになりました。
現在の東京は緊急事態宣言下とはいえ、ペナルティ覚悟で営業している飲み屋も少なくない。そんな状況を知っているだけに、現在の唐津は「初体験」の状況に、本当にビビりまくっている感が出ています。
コロナが感染拡大して以来、初めての緊張感が街に漂っているため、私のように毎月東京に出張に行く人間からすれば案外新鮮な感覚を抱いています。なにしろ、本当に店が営業していないのです!
東京では2回目以降の緊急事態宣言以降は、「闇営業」をする店が続出していますが、やはり初の「まん防」ということもあってか、営業中の店はまったく見つからない。
もちろん自宅でお酒を飲むことはできるのですが、やっぱりそれだと寂しい。かくして私は(ほとんど)酒のない生活を唐津で過ごしているわけですが、酒飲みにとってはこれ、かなりストレスですね。