先行きが見えないコロナ禍に背中を押され、婚活意欲が増している人たちがいるという。人とのつながりが薄れ、これまで以上に孤独を感じやすくなったことも相まって、パートナー探しを始めた人もいるかもしれない。しかしその一方で、ますます結婚への関心が薄れたり、結婚しないと決めた独身男性もいるようだ。お金の問題だけではない、「結婚したくない」独身男性たちの思いとその価値観を聞いた。
一人暮らしに慣れすぎて他人との生活が想像つかない
IT企業に勤める30代男性・Aさんは都内の私大卒で年収500万円、女性との交際もそれなりに経験してきた。交際中の女性に結婚を迫られることもあったが、Aさんは結婚する気にはなれなかった。
「結婚は自由とお金が制限されることが多いじゃないですか。今のところ、自分の好きな時に好きなことができないというデメリットを越えて、この人と結婚したいという人に出会っていないんだと思いますが、もはや一人暮らしに生活に慣れすぎて、他人がいる生活も想像できなくなりました」(Aさん)
Aさんは、既婚者である大学時代の友人にそのことを話したところ、「ガキかよ」と笑われ、「結婚して子どもができなかったら、家族のためにお金や時間を使う喜びを味わうことができなかった。結婚は大変なこともあるけど、独身では味わえない醍醐味がある。やっぱり結婚しないと人間成長しない」と説かれた。
「それはそれでそうなんだろうな、と思いますが、結婚してこそ立派な人間、みたいな風潮は嫌いです。何を大切にするかは人それぞれの価値観だし、僕なりに将来のことはしっかり考えています」(Aさん)
Aさんは最近始めた株式投資で資産を構築して早期リタイヤし、老後は「大好き」だという東南アジア諸国で暮らすことを計画しているそうだ。