両親が離婚、他人との接し方がわからない
「無理に結婚する必要はない」と考える人もいる。メーカーで働く20代男性・Bさんは、地方国立大卒で年収は400万円ほど。これと言って趣味はなく、自らのスキルアップのために英会話や仕事関連の本や資格にお金も時間も費やしている。そんなBさんは、「結婚は怖い」と言う。
「結婚は他人の人生を背負うことになります。いくら共働き、女性の社会進出が進んだといっても、なんだかんだ男性のほうが“大黒柱”扱いでしょ。この先行き不透明な時代、自分を幸せにすることだけでも精一杯なのに、妻子を幸せにできる自信はないし考える余裕もありません。人から何と思われようと、自己防衛で手一杯です。適齢期だから、将来の孤独死が怖いから、2人だと経済的に安定だから、みたいな理由で、“とりあえず結婚”するモチベーションはありません」(Bさん)
Bさんがもう1つの不安要素として挙げるのが、「結婚すると簡単に別れられない」こと。Bさんは子どもの頃から冷え切った家庭環境下で育ち、両親が熟年離婚した経験がトラウマになっている。
「僕は自分が大学に入った頃、親が『もういいでしょ』とばかりに離婚しました。それまでの生活も、僕が寝ている隣の部屋で、両親が『子どもがいるから、別れるに別れられない』みたいなことでよく口論していて、僕はずっと『親ってなんなんだろう』と考えることも多かった。両親と仲良くどこかへ出かけた、というような記憶はほとんどありません。
結局、父親がギャンブルや酒におぼれて借金、不倫に走って、耐えられなくなった母親が、僕の大学入学と同時期に離婚を突きつけたんです。信頼し合っていない2人が一緒に暮らすことの煩わしさに比べたら、1人でいる寂しさの方がマシ。何より、一緒に暮らす人との接し方がわからないというのが本音かもしれません」(Bさん)
「結婚に向いていないタイプは絶対ある」
難関私大卒で、広告代理店で働く30代男性・Cさんは年収約900万円で仕事が大好きだと公言している。そんなCさんは「時代錯誤と言われるかもしれませんが……」と前置きしたうえで、こう語る。
「男性が家事や育児をして当たり前という風潮になりましたよね。それは素晴らしいことだと思います。でも僕は仕事に専念したいので、仮に結婚するとしたら、なんなら育児や家事にお金を払うから、僕は免除してほしい。結婚してから、家事や育児に協力的でないと愚痴られ続けられたくないので、そこは話し合いが必要でしょうね。結婚に向いていないタイプって絶対あって、僕は完全にそうだと自分で思っています」(Cさん)