老後に必要な資金は2000万円とも言われる今の時代。そんなに貯蓄がない……と不安を抱えている人も多いだろう。しかし、なかには貯金ゼロというスタイルを貫く人もいる。「80万円を超える貯金をしたことがない」「かといって、みじめに思ったこともないし、毎日楽しい」と語るのは、女性セブンの名物記者「オバ記者」こと野原広子さん(64才)だ。
中3から本格的にバイトを始め、18才で上京した野原さんは、貯金をすることなく過ごしてきたという。その後、多額のローンや借金を抱え、30代で麻雀にハマり、返済に追われる日々も経験した。ギャンブル依存に近い状態となった46才のときには、ビジネスホテルでベッドメイキングのアルバイトも始め、50代では結婚相談所に登録しお見合いを繰り返した──。
まさに波乱万丈な人生を送る野原さんは、貯金がなくても「自分を下げるな」とメッセージを送る。前向きに生きる野原さんが綴る。
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何かの拍子に女友達に「貯金がないし、したこともない」と言うと、「エエ~ッ!」と絶叫されることがあるのよね。
「じゃあ、病気になったらどうするのよ?」「ならないもの」「いざというとき困るじゃない!」「困るよ。でもそのときはそのときだし」
吊るし上げ口調の彼女に、なるべく呑気に答えているけれど、「そうなっても、私はお金貸さないからね」とまで言われたら、友情もへったくれもない。ニッコリ笑って絶縁だね。
「月収2万円」と伝えてもそう。相手は驚き、火の粉が降りかからないように逃げ出そうとする。(そんなはした金しか稼げなかったら、人前で笑っていられないわよ。この人、何考えてるの!?)と顔に書いてある。
そういう相手は大きな会社のサラリーマンの妻とかで、彼女の言い分ももっともなの。でもその一方で、稼ぎ方とか、貯金するとかしないとかに“絶対正義”があるのかな?とも思うんだわ。