期間が延びたからといって油断は禁物。こうした制度を利用する場合は、早めに行動してほしいと話すのはファイナンシャルプランナーの横川由理さんだ。
「もし生活に困窮してしまい、これらの制度を活用したいと考えているのであれば、貯蓄の余裕があるうちに申請しましょう。審査を通過して支給されるまでにタイムラグがあるので、貯金が尽きてからでは消費者金融などに頼らざるを得なくなってしまいます」
特例貸付は利子がなく、返還期間も緩やかなためセーフティーネットとして重要な役割があるが、必ずしも推奨はできないと横川さんが続ける。
「償還(*金銭債務を返済すること)があるものは、返済する月の資金繰りに困る可能性があります。返済するために別の場所から借りるなどして状況が悪化しかねない。先延ばしにするより、まずは現状から抜け出す方法を考えるのが先決です」
申請すれば給付が受けられる制度
他にも、申請すれば給付が受けられる制度は少なくない(別表参照)。個人事業主の場合、「月次支援金」も見逃せない。
「昨年の『持続化給付金』に似た制度で、前年の同月と比較して、売り上げが50%以上減少した月に対し10万円が支給されます。
会社員の場合は、『新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金』があります。新型コロナにより休業させられ、休業中に賃金や休業手当を受けることができなかった人が対象です。
この制度の強みは、本人が直接、国に申請できること。会社を通すと雇用主が申請の手間を嫌がったり、最悪の場合は会社に振り込まれた給付金がうやむやにされ、本人に支払われない恐れもあります」(横川さん)
トラブル回避のため、申請したお金は、なるべく自分の口座に振り込まれるようにしたいところだ。
※女性セブン2021年10月21日号