実質2000円の自己負担で海の幸やブランド牛など豪華な返礼品が手に入る―─「ふるさと納税」が今またお得になって注目を集めている。“手間がかかりそう”といった理由で敬遠しているのはもったいない。年末までの期限は、すぐそこに迫っている。限度額が多くなくても得する返礼品選びのコツを達人が指南する。
消費生活アドバイザーの丸山晴美氏は、「昨年に続き、今年もお得な返礼品が多い傾向」と言う。
「返礼品競争が過熱した2019年に総務省が“返礼品は還元率(寄付額に対する返礼品の調達額)3割以内”と通達しましたが、昨年はコロナ禍で生産者支援の観点から農林水産省が自治体の返礼品調達に補助金を出しました。今年も引き続き普段よりも量を増やすなど返礼品が充実している傾向です」
「3割」の基準は自治体が事業者から返礼品を調達した際の納入価格をもとに計算される。そのため、自治体の努力でより安く調達できれば、国のルールを守りながら実質的には“還元率3割超”が実現するのだ。
独自に実質還元率を調査する情報サイト「ふるさと納税ナビ」編集長の上野舞氏が解説する。
「各ネット通販などを徹底的にリサーチした市場価格と寄付額を対照して実質還元率を算出します。1万円の寄付で市場価格5000円の返礼品が受け取れるなら、実質還元率は50%ということです」
同サイトを見て実質還元率に寄付額をかければ、返礼品の市場価格がわかり、そこから2000円を引いた額がそのまま「得する金額」となる。別掲表はそうしたデータを踏まえ、識者が注目する返礼品リストだ。
お得・節約ジャーナリストの青葉みお氏は、実質還元率160%の「6週間熟成ロースステーキ計1kg」(福岡県久留米市)に注目。
「肉類は還元率が高いのが特徴ですが、これは1万円の寄付で1万4000円(1万円×160%-2000円)得する計算になります。さらに、2万円の『お刺身・かにしゃぶ・かにステーキ用1.5kg』(実質還元率80%=得する金額1万6000円)を合わせると、年間3万円得することになります」(青葉氏)