今はその機会が減っているとはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大が収まってくれば、また以前のように出張するビジネスパーソンも増えていくのではないだろうか。そんな出張機会が多い人にとって重要なのが、出張時のホテル選びだ。立地・交通の便・価格。アメニティ・各種設備の充実度など、判断材料は多岐にわたる。昨年秋に佐賀県唐津市に移住したネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、月に1回の東京出張があるが、どうやって宿を選んでいるのだろうか。中川氏が「自分に合ったビジネスホテルの選び方」について考察する。
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私の場合、月に1回(時に2回)、東京に出張する機会があるのですが、その時はフリーライターの妻も一緒に上京して同じビジネスホテルに泊まります。私の出張スケジュールは3か月先まで決まっているので、彼女もそれに合わせて東京での仕事を入れているのです。こちらの方は私より融通が利かせられます。ただし、彼女は東京に来るのであれば他の仕事もバンバン入れてしまうため、必然的に3泊4日か4泊5日となります。
それだけ泊まるわけですから、ホテルにおいて「何が大事か」の優先順位は付けた方がいい。私の場合は以下の順番になりました。
【1】立地・交通の便
【2】価格
【3】近所のコンビニの有無
【4】備品
【5】周囲の食・買い物環境
【6】アメニティ
【7】従業員の雰囲気
初期の頃は、「慣れている」「土地勘がある」ということで、渋谷のホテルに泊まっていたのですが、これが案外、現在の仕事であればそんなに意味がないことに気づくのです。この2つの要素はもしかしたら平時では重要だったかもしれません。何しろ馴染みの飲み屋などがあるため、心が休まりますし、歓待してもらえる。さらには多くの人にとってアクセスがよい場所だったため、人と会って飲み会をする約束もしやすかった。
しかし、度重なる緊急事態宣言とまん延防止等重点措置により、店は開かないわ、酒は出ないわ、といった状況になり、この2つの要素はコロナ騒動下でのビジネスホテル選びには不要となりました。
【1】の立地・交通の便ですが、この場合、妻と私、双方にとって便利でなくてはいけません。彼女は築地と浜松町での仕事が多く、私は六本木と渋谷が多い。そうした理由から、いったん定宿になったのが、銀座一丁目・宝町のホテルです。妻は築地へは徒歩で行けるし、浜松町へは東京駅まで歩いてそこから山手線ですぐ行ける。私も銀座から日比谷線で六本木へ、銀座線で渋谷へ一本で行けます。
宝町は、羽田空港からは京急で一本で着くのも大きかったです。ただ、残念なことに、京急の快速特急が宝町には止まらない。これにより何度も電車をやり過ごすことが多かったため、もっと良い立地はないかを考えました。なんだかんだいって、私の東京出張の多くは六本木の仕事が中核になっているので、今度は六本木のホテルにしてみました。