一方、消費生活アドバイザーの丸山晴美氏は、「量」と「質」を考慮して返礼品を選びたいと指南する。
「今年は、ふるさと納税では定番といえる『訳あり返礼品』(傷があるなどの理由で市場にそのまま流通しにくいが、品質に問題がない商品)に、さらに『緊急支援』と重ねて銘打っているもののお得度が高いと言えます。特徴として、かなりの増量が実現されている点があります。たとえばお米であれば、寄付額1万円で17kgや1万4000円で20kgといった返礼品も見つかります。
さらに、量だけではなく質も考慮して選ぶのもいい。北海道妹背牛町の『令和3年産 プレミアム北彩香(ななつぼし)10kg』(寄付額1万円、還元率49%)は、近年お米栽培の評価が高い北海道の中でも人気のある妹背牛町の返礼品です。妹背牛町は小さな自治体のため特産品の種類が多くありませんが、品質が高いことで知られています。
同様に人気の返礼品である牛肉も、量で選ぶなら『切り落とし1.5kg』といった返礼品を選ぶのもありですが、質を考慮すると北海道上士幌町の『十勝ハーブ牛 サーロインステーキ400g』(寄付額1万5000円、還元率72%)がオススメです。北海道のブランド牛で質はもちろんのこと、コロナ禍での生産者支援でボリュームもアップしています」
実質還元率を意識しながら探すことが楽しみとなる。前出の上野氏が言う。
「市場価格の調査をすると中には実質還元率が100%を超えるものもあります。ふるさと納税の返礼品の還元率の高さは自治体と生産者による努力によるもの。返礼品を選ぶ際の指標のひとつとして活用してください」
今年の控除枠を使うには年末までに申し込む必要がある。早めに検討を進めたい。