家計

親の遺品が高値で売れる例も 文具、農具、優勝カップ、人形、金歯まで

押入れに眠っていたガラクタ同然のモノがお宝に?(イメージ)

押入れに眠っていたガラクタ同然のモノがお宝に?(イメージ)

 インターネット上でフリーマーケットが楽しめるフリマアプリの「メルカリ」のデータによれば、自宅内の不要品の価値総額を指す「隠れ資産」は1世帯あたりなんと70万円にのぼるという。埼玉県に住む60代男性のA氏が相好を崩してこう語る。

「コロナでステイホームしている間に、家に残っていた不要品を整理していたら、押入れから親がかつて大事にしていた犬の形の置物が出てきて……捨てるのは忍びないからと骨董品買取店に持っていったんです。そしたら、『これは金製品ですね』と言われて、30万円の値がついてびっくりしました」

 自分の家や実家にある物をただ捨ててしまっている人も多いことだろう。しかし、A氏のようにガラクタ同然と思っていた物が、驚くような高値で売れる可能性は誰にでもある。

 では、具体的にどんな物が売れるのか。まずチェックすべきは、親の遺品だ。遺品整理業者であるエコロ・ダイレクト社長の望月信久氏が語る。

「純銀や純金が使われているのに価値が分からなくて、そのまま捨ててしまうケースがよくあります。例えば、親がゴルフをやる人で、ゴルフコンペなどの優勝カップやトロフィーが遺されていることも少なくないですが、バブル期など景気がいい時代には、銀で作っていることもある。調べてみたら銀製で、何個かまとめて10万円になったケースもあります」

 貴金属類では金歯も見逃せない。親が亡くなった後、納棺師から渡されたのを忘れている人は多いという。

「歯科用合金と言いますが、金歯は金と銀とパラジウムを混ぜて作られている物が大半です。パラジウムの相場は昔は1g1000円ほどでしたが、今は7000~8000円で金と同じくらいの値段です」(同前)

 親が使っていた古い文房具も宝の山だ。

「年輩の方の場合、万年筆などはブランド物を使っていた人が少なくありません。欲しい人がいれば驚くほどの値段がつき、設計士が使う製図用のシャープペンシルが1本10万円で売れたケースもあります」(同前)

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