新型コロナウイルスの新規感染者数も落ち着きを見せる中、年末年始の過ごし方について計画を始める人も多いようだ。10月以降、国内航空会社や鉄道などの座席予約が急増しており、今シーズンは感染状況が予測できない海外ではなく、国内旅行や故郷への帰省を選ぶ人が多くなりそうだという。フリーライターの吉田みく氏が、コロナ禍で見合わせていた夫の実家への帰省について頭を悩ませている30代女性に話を聞いた。
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今年もそろそろ終わりが近づいてきた。そこで話題に上がるのが帰省問題。コロナ禍で帰省を控えていた人も多かったかと思うが、今年はどうなのだろうか。
旅行検索サービスを展開するattaが2021年10月に行った、この年末年始の行動に関する意識調査によると、「実家へ帰省する」と回答したのは23.2%だった(全国20~59歳の男女1054人中)。昨シーズンに「実家へ帰省した」と答えたのは15.9%だったので、大幅に増加している。背景には、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていることがあるようだ。
そんななか、夫と4歳の娘を持つ都内在住の会社員、みかこさん(仮名・38歳)は、年末年始の帰省について頭を悩ませていた。
「新型コロナウイルス感染拡大から現在まで、義両親宅への帰省は控えていました。緊急事態宣言も解除となったので今年は行かなくてはと思っていますが、正直気分が乗りません」(みかこさん、以下同)
義両親は東北地方の山沿いに住んでいるため、帰省するだけでも一苦労とのこと。スタッドレスタイヤへの履き替え、帰省先で身に着ける防寒着の用意、高速道路の料金と、最近高騰しているガソリン代も家計への大きな負担だと、みかこさんは嘆いていた。
「本音としては、帰省にかかる費用を少し負担してほしいくらいです。我が家だって決して裕福ではありませんし……。このことを夫に相談すると、『うちの親をいじめないでくれよ、年金暮らしなんだから』と、うんざりとした表情をされてしまいました。苦労して費用を捻出する私のことは眼中にないようです」