交通事故は車だけじゃない
連日のように報道される不幸な事故。とりわけ高齢者による事故が近年大きな問題となっているが、交通事故で死傷する生涯確率は26.85%で、3.7人に1人が遭遇する計算。いつ自分が当事者になってもおかしくない。
交通事故は近年減少傾向にあるが、被害に遭うばかりか、自分が加害者になるケースも増えている。特に最近とみに増えているのが自転車事故だ。
神奈川県に住むパート勤務の主婦R子さん(59才)は、数年前から健康づくりも兼ねて電動アシスト自転車に乗り始めた。ところがある雨の日、下り坂でスピードが出て、買い物帰りの老人に接触。転倒した際に自分もけがをした。
「自転車保険に入っていなかったため、相手方の治療費と賠償、自分の治療費も全部自腹……。けがも“懐”も痛すぎる出費です」(R子さん)
このように昔取った杵柄で自転車に乗る中高年には、自転車保険に未加入な人が多い。
「自転車事故では、小学5年生の男子が女性に衝突した事故で、9500万円もの高額賠償を命じる判決が出た例もあります。これをきっかけに、自転車保険の加入を義務づける自治体が増えています」
そう解説するのは、ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん。自転車事故で生活を破綻させないためにも、自転車保険への加入は必須だ。
「自転車保険は傷害保険と個人賠償責任保険をセットにした商品(自治体により、個人賠償責任保険に加入すればいい場合も)ですが、個人賠償責任保険の補償額は1億円で、年2000円程度の支払いとお手頃なので、絶対に入っておくべきです」(長尾さん)