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「かわいそう」って言わないで! 一人っ子たちの偏見・イメージとの闘い

一人でも平気なのに「寂しいでしょう」

 自身も一人っ子で、子どもも一人っ子の人もいる。IT企業に勤めるBさん(30代女性/既婚)は、「寂しいでしょう?」と聞かれるのが嫌だったという。

「一人っ子は全然、嫌じゃないです。むしろ一人での楽しみ方を日々研究してきたくらいなので、一人が苦になりません。私の場合、大人数での食事や行動に慣れないという弊害もありますが……。もちろん、一人っ子でも一人で平気な人もいれば寂しがり屋の人もいますよ」(Bさん)

「かわいそう」と言われるのも嫌だった。自身が親になってから、なおさら不快に感じるようになったという。

「私の両親は確かに裕福とは言えなかったけれど、奨学金なしで大学まで出させてくれた。ありがたいと思っているのに、勝手に『かわいそう』扱いされるのは嫌でしたね。私も親になりましたが、二人目をつくらないのは、人それぞれの事情があります。私たち夫婦の場合、一人息子に愛情やお金といったリソースを集中させたいと思っています。以前、ママ友から『一人っ子の親はモンスターペアレントが多い』と嫌味を言われて驚きました。どうやら、『一人に愛情が集中するあまり、周りが見えなくなる』ということを言いたかったようですが、そんな言葉は気にしません」(Bさん)

 一方で一人っ子であることに心細さを感じている人もいる。PR業界で働くCさん(50代男性/未婚)だ。

「今では一人っ子も当たり前かもしれませんが、私が子供だった頃、周りには一人っ子が少なくて、クラスに1~2人いるかどうか、ぐらいの珍しさでした。家に帰ったら誰かきょうだいがいるというのは、正直羨ましかったですが、親が私を野球チームに半ば強引に入れたのは、そこで子供なりに人間関係を学ばせたかったということだったのかな、と思います」(Cさん)

 大人になった今も、一人っ子であることはつきまとう。

「80代の両親は今のところ大病もせず健康ですが、『もし病気になったら』『介護が必要になったら』と考えるとやはり不安です。お金の問題だけでなく、親のことについて話せる人がいないのは心細いなとは思いますね」(Cさん)

 少子化が進む今では一人っ子も珍しい存在ではなくなったが、周りから見られるイメージも含めて、それぞれ考えるところがあるようだ。

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