贈与契約書には決まった書式はないが、「『いつ』『誰が』『誰に』『何を』贈与したかをもれなく記載し、作成した日付を書き、贈与者と受贈者が署名捺印する」(吉澤氏)というかたちになる。それを2部作ってお互いに手元に残しておくのだ。未成年者の場合は、親権者が署名捺印する。
「また、『お金の移動履歴』が書面で残っていることも大切です。そのためには、贈与するのが現金であれば、贈与者が振り込んだ記録が残る銀行振り込みにしておくべきです。ただし、受贈者がお金を受け取ったと知らない、振り込まれた口座の通帳や印鑑を管理していないなどのケースでは、贈与と認められないリスクがあります」(同前)
親が子供名義の口座を開設して振り込んでも、子供が成人なのに親が口座を管理している場合などは、贈与と認められない可能性があるのだ。
正しい知識を持って、非課税枠を活用していかなくてはならない。
※週刊ポスト2021年12月3日号