住まい・不動産

「置かれた場所で咲く」は正しい?都会と地方どちらで暮らすのが良いか考える

大阪と愛知で働いたのち、地元である愛媛にUターンし、実家を改装して農家体験民宿「山あじさい」を開いた武田さん夫妻。「ここの水と空気に代わるものはない」と語ってくれた(写真/武田夫妻提供)

大阪と愛知で働いたのち、地元である愛媛にUターンし、実家を改装して農家体験民宿「山あじさい」を開いた武田さん夫妻。「ここの水と空気に代わるものはない」と語ってくれた(写真/武田夫妻提供)

「咲ける場所に動きなさい」を実践できる時代

 住めば都とはよくいったもの。学歴や人脈など都会と田舎には埋めることができない格差がある一方、田舎にしかないかけがえのない生活もある。吉岡さんは、今後田舎はさらに住みやすくなると主張する。

「ネットの発達により、田舎にいてもすぐにさまざまな情報にアクセスできるようになったし、現在は都会の方が賃金が高いものの、テレワークの普及で今後、地方でも高収入を得られる人は増えてくると予想されます。だからこの先はさまざまな地域格差が徐々に平準化していくのではないかと考えられ、相対的に田舎のポテンシャルが上がっていくと予想されます」(吉岡さん)

『無理ゲー社会』(小学館新書)の著者で、作家の橘玲さんは、今後は住む場所を自由に選択できる社会がやって来ることを予測する。

「いまやテレビ局や広告代理店といった大きな会社よりもYouTuberが力を持つ時代です。ネットで簡単に評判が検索できるようになって実績さえあれば会社に属していなくても、仕事を受けられるようになりつつある。

 実際、民泊を利用して世界中を旅しながら働いたり、都市部の会社に所属しながら生活コストの安い地方で暮らしお金を貯めて、アーリーリタイアを目指すことも珍しくなくなりました。以前の日本は『置かれた場所で咲きなさい』の生き方しかできませんでしたが、『咲ける場所に動きなさい』を実践できるようになったのです」

 もはや問題は“置かれた場所”がどこだったかではないのかもしれない。

「田舎にも都会にもそれぞれのよさがあります。これからはどちらがよいかではなく、それぞれの生活様式や好みに合わせて住む場所を選ぶ時代になるでしょう。そこで問われるのは、一人ひとりの価値観や考え方なのです」(吉岡さん)

 生まれる場所は選べない。それでも、それだからこそ「ガチャ」の行く末を決めるのは、あなた自身の行動なのだ。

※女性セブン2021年12月2日号

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