とはいっても、一般の人でも、SNSで同好の士と繋がったり、同じ苦しみを抱いている人同士で繋がるなどの使い方はアリだと思います。目的を明確にしておけば、炎上はしないで、むしろ心の安寧に繋がります。「あぁ、実生活では仲間がいなかったけど、ネットにはいたんだ……」と思えることでしょう。
それは「夫がモラハラ気味」「息子の反抗期に悩んでいる」「姑との関係が悪い」などなんでもいいのですが、SNS上では必ずあなたと同様の境遇に置かれて苦しんでいる人がいて、その痛切な思いを吐露しています。そういった人々と繋がることにより、生きる希望が湧いてくることもある。SNSとは上手く付き合っていきたいものです。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『炎上するバカさせるバカ 負のネット言論史』(小学館新書)。