ともあれ裁判所は、改名を必要とする事情に基づき、改名により得られる利益と不利益を比較し、正当な理由の有無を判断します。
娘さんたちの場合、同姓同名になると、名前の特定機能の一部が失われます。それでも就学前であれば、その関係する社会的関係は狭く、名前変更の弊害は少ないので、許可されるように思います。しかし、学校に通い、一定の社会的活動をしている場合には、名前変更の得失が検討されるでしょう。
改名は娘さんのアイデンティティにも関わり、その意向は尊重すべき。また、15歳未満は親権者が申立てできますが、以上だと娘さんの申立てが必要となります。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2021年12月10日号