コロナ禍の巣ごもり需要でフリマアプリを利用するようになった人が増えている。フリマアプリ大手のメルカリの2021年6月期決算は2018年の上場以来初の黒字(57億円)となるなど、業界は好調だ。この間、多くの人々がフリマアプリを活用した生活を送ったであろうことがうかがえる。そんな一人である都内在住の30代主婦は、フリマアプリを使っていることで人間関係に思わぬ波風が立っていると話してくれた。どういうことなのか。フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
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掘り出し物に出会えたり、不要品がお金に変わるフリマアプリ。使い方次第では、家計を助けるツールにもなっている。夫と4歳と2歳の子を持つ都内在住の専業主婦、ちあきさん(仮名・33歳)は、フリマアプリで賢く買い物をしているという。
「その魅力を知ってからというもの、欲しいものがあるときは、まずフリマアプリに出品されているかを確認するようになりました。使用時期の短い子供服や定価で買う必要のないものは、フリマアプリにお世話になっています。小さな積み重ねの甲斐もあり、毎月1度は家族で焼肉店へ行けるくらい、家計に余裕が出ています」(ちあきさん、以下同)
ちあきさんは購入するだけでなく、不要になった物を売ることでもフリマアプリを活用している。外出自粛の影響で着る機会がなかった新品未使用の冬服は、定価に近い価格で売れたそうだ。購入者から良い評価をもらえるよう、早めの発送と丁寧な梱包も心掛けているという。自宅にある不要品を出品し続けた結果、貯まった売上金で高級ブランドの中古コートを手に入れることができたそうだ。
「普段なら絶対に手が出ない10万円近いブランドのコートを3万円ほどでゲット。デザインは多少古いですが、状態も良く、着心地も最高です。いい買い物ができたと思っていたのですが、あることがきっかけで、嫌な思いをすることになったんです」
ちあきさんが不快に感じた出来事とは、同じ社宅に住むボス的な存在の女性からの辛口コメント。その女性は、夫の上司(部長クラス)の奥さんだそうだ。