ふるさと納税の申し込み期限(12月末)が近付いてきた。生まれ故郷や応援したい自治体に寄付をすると、自己負担2000円を引いた額が所得税・住民税から控除されるうえ、地域の特産物などを返礼品として受け取ることができる(控除対象となる寄付金には限度があり、その額は所得などによって異なる)。中には実質的な還元額が高いお得な返礼品もあり人気となっているが、そんなふるさと納税の話題が、ママ友間のマウンティングにつながったケースがあるという。フリーライターの吉田みく氏が、30代主婦に話を聞いた。
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2021年も残りわずかとなってきた。巷では、ふるさと納税の話題が盛り上がっているようだ。夫と5歳の息子を持つ都内在住の専業主婦、ふみかさん(仮名・33歳)は、ふるさと納税の返礼品を話題にしたことがきっかけで、不快な思いをしたという。
「夫は自営業で収入に波があるため、その年のおおよその年収が分かり始める10月頃から、ふるさと納税を申し込んでいます。普段食べる機会のないステーキや鰻などの食品を中心に選んでおり、ちょっとした贅沢気分を味わっています」(ふみかさん、以下同)
コロナ禍で外出する機会が減ったこともあり、自宅で楽しめるふるさと納税の返礼品は楽しみの一つになっていたそうだ。しかし、同時期に申し込みをしすぎてしまい、自宅が返礼品で溢れかえってしまったという。
「冷凍品が多かったため、自宅の冷凍庫がパンパンになってしまいました。本当は味わって食べたかったですが、そのまま置いておくわけにもいかないので、消費することに必死でした。そのことをママ友に笑い話として話したら、おかしな方向へ話が進んでしまったんです……」
ふみかさんが話をした相手は、息子が通う幼児教室で一緒のママ友だった。有名私立小学校の入学対策をする教室で、教育熱心な家庭の親子が通うことで有名だそうだ。
「ママ友から『どんな返礼品を選んだの?』と聞かれたので、何も疑わずにありのままに答えました。『参考になる~』と言われたので、私の情報が役に立ったのかと思ったんですが、違ったようです……」