2019年の厚生労働省の調査によると、50代の2人以上世帯の平均所得金額は756万円あるものの、21.8%が貯蓄ゼロだという。教育費・介護費・家のローンなどが一気に振りかかる50代の大支出期に、どう立ち向かうべきか。専門家に対策を聞いた。
「私自身、50才で貯金ゼロはあり得ると考えています」と打ち明けてくれたのは、シングルマザーの節約アドバイザー・丸山晴美さん(以下「」内同)だ。
「私が50才のとき、子供は中学3年生。高校進学を控えた年です。大学進学も視野に入れると、50才からの7年間は、塾代や受験費用、進学資金などで、もっとも教育費がかかるときです。貯金をするどころか、これまでの貯金が底を突く可能性もあります」
丸山さんが50才の時点で、子供は高校進学を迎える。貯金がゼロだったら、教育費はどうまかなうか。
「年収910万円未満の所得制限(*両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いているモデル世帯の場合)がありますが、返済不要の高等学校等就学支援金を利用できれば、年収によって公立は年額11万8800円まで、私立は最大で年額39万6000円まで授業料が免除され、公立ならば授業料が実質無償になります。できれば子供には公立に行ってもらい、この制度を活用したいですね。
大学に進学するとしても、初年度は私が払いますが、あとの3年間はなるべく奨学金を活用してもらいたいです。ただ、高等学校等就学支援金も奨学金も、支給されるのは入学後。仮に高校入学時に10万~20万円、大学入学時に30万円程度を用意するとしても、50才から少なくとも年50万円を貯金していれば、支払える金額だと思います」