配偶者が亡くなったら?
老後の生活において重要な問題が、配偶者が亡くなった後の生活だ。井戸さんは「私なら高齢者施設に入る」という。
「自分ひとりになって、人の助けが必要になったら、介護付有料老人ホームなどの施設に入ると思います。そのために50才からの約20~30年で1500万~2000万円は貯めたい。ちなみに夫婦2人だったら入所しません。2人部屋は月額料金も入居一時金も割高だからです」
家を売ると逆に足が出る可能性も
現在、夫と兵庫県内の戸建てに住んでいる井戸さん。持ち家はどうするか。
「家を売っても、売却利益で今後の住居費をまかなうのは難しい。引っ越し費用も100万円以上はかかり、足が出る可能性も。そう考えると、毎月数万円の維持費でいまの家に住み続ける方が、資産を守れると思います」
「iDeCo」+「年金受給年齢を繰り下げ」
大切なのは、「年金をいかに増やすか」だ。
「私なら、『iDeCo』に加入して上限額まで積み立てるなどして、老後に受け取れるお金を増やし、さらに、年金を受け取る年齢を最大限遅らせます」
たとえば、65才時の受給額が月額15万円の人が、75才まで受給年齢を繰り下げると、受給額が27万6000円になる。75才までは働いた分の収入をベースにし、足りなければiDeCoで積み立てた分で補って生活し、その後公的年金を受給する、というわけだ。