吉田みく「誰にだって言い分があります」

コロナ禍で会えなかった人と再会も「心から楽しめない」主婦2人のモヤモヤ

心待ちにしていた再会のはずが…(イメージ)

心待ちにしていた再会のはずが…(イメージ)

 コロナ禍で、家族や親しい友人であっても直接会うことが難しい状況が続いたが、新規感染者数の減少に伴い行動制限も解除されるようになった。世界ではオミクロン株の拡大が始まり予断は許されないものの、国内の感染状況がこのまま推移すれば、この年末年始は多くの人が久しぶりの帰省が果たせるかもしれない。だが、心待ちにしていたはずの再会を「心から楽しめなかった」という人もいる。フリーライターの吉田みく氏が30代の主婦2人に話を聞いた。

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 夫と4歳の息子を持つ都内在住の専業主婦、ひとみさん(仮名・38歳)は義母から貰った子供へのプレゼントにモヤモヤしていた。

「緊急事態宣言が解除され、生活が落ち着いた11月に義母と久しぶりに会いました。その時に息子へのプレゼントをもらったのですが、1歳くらいの時に好きだったキャラクターのぬいぐるみだったんです。息子は『これじゃない』とハッキリ言ってしまい、微妙な空気が流れました」

 義母との再会は約2年ぶり。ひとみさんの話によると、最後に会った時から孫の好みの情報が更新されていないようだった。たしかに会わない時期が長かったので仕方がないように感じるが、ひとみさんとしては腑に落ちないようだった。

「会うのを自粛していた間は、頻繁に電話をしたり写真を送ったりと、息子の近況報告をしていました。その時も最近好きなおもちゃの話を沢山したんですけどね……。頑張って連絡していたのがバカみたい。夫が連絡しないから私がしてあげてただけなのに。貰ったおもちゃはフリマアプリで売る予定です」

 夫にこの件を話すと、「もう高齢だから気が回らないんだよ」としか言われず、ひとみさんは悲しい気持ちになった。会えない間も義母に散々気を遣い、継続してきたことは無意味だったのか──そう思うと虚しくもあり、怒りも覚えたという。自分の気持ちが落ち着くまで、義母と距離を置くことを決めたそうだ。

「ウチは招待券があるから」

 夫と5歳の娘を持つ都内在住の専業主婦、ゆみさん(仮名・35歳)は、友人親子と約束した久々のお出かけを巡って、複雑な気持ちになったことを話してくれた。

「自粛生活中、頻繁にメッセージのやりとりをしていた学生時代の友人から、子供向けの施設に遊びに行こうと誘われました。お互い忙しかった時期とコロナが重なり、3年ぶりに会う約束をしたんです。とても楽しみにしていたのですが、ある一言がきっかけで残念な気持ちになりました」

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