NHK大河ドラマ『青天を衝け』は、主人公・渋沢栄一が三井財閥の中興の祖・三野村利左衛門や三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎と競いながら明治日本に産業を興していく姿を描いている。そして令和の世となったいま、コロナ禍で停滞した日本経済の復興を牽引しているのがその三菱、三井、住友の三大財閥系企業だ。
今年の中間決算では、三大財閥系企業が業績を大復活させた。三菱グループでは、“御三家”の業績が復活。三菱UFJフィナンシャル・グループが中間決算として最高益を更新したのをはじめ、三菱商事も経常利益が最高益、国産ジェット旅客機開発で巨額の損失を出した三菱重工業も自動車部品の回復などで黒字に転換した。
さらに三菱地所、三菱電機も増益、日本郵船は中間決算の大幅増益に加えて通期の業績予想も前年比5倍の純利益7100億円になると上方修正。前年同期に496億円の赤字に苦しんだ三菱ケミカルホールディングスは851億円の黒字と文字通りV字回復を果たすなど、グループの主要企業が軒並み好決算に沸いた。
三井グループも負けていない。三井不動産が純利益9.5倍(前年同期比)、三井化学が純利益7.7倍(同)、三井物産、東レ、デンカも増収増益で、商船三井は中間決算の好業績のうえ、通期予想も前期比5.3倍の純利益4800億円と過去最高益を更新する見込みだ。
住友グループも住友林業、住友金属鉱山、住友化学が通期で過去最高益を更新する見込みだ。