年末の期限まで残すところあとわずかに迫った今年のふるさと納税。駆け込みで寄付する人が殺到し、各地で返礼品の「争奪戦」が起こっている。宮崎県日南市役所のふるさと納税担当者が語る。
「12月の駆け込み需要に備えて返礼品の数量を確保してきましたが、現在、在庫がどんどんなくなっている状況です」
ふるさと納税は自分が選んだ自治体に寄付をすると、実質負担額である2000円を引いた残りの金額が所得税と住民税から控除される制度。そのうえで寄付金額によって様々な返礼品を受け取れる。ただし、控除を受けられる寄付額には上限があり、限度額は収入や世帯構成で異なる。
「まだの人は今年のうちにやりましょう」──そう語るのは、消費生活アドバイザーの丸山晴美氏。
「ふるさと納税を年内に済ませば、翌年の住民税の負担が軽くなります。“所得税や住民税が、ふるさと納税の寄付額に振り変わり、さらに返礼品が受け取れる(2000円は自己負担)”という制度なので、寄付して食べ物などをもらったほうが断然お得です」(丸山氏)
見逃せないのが、“ラストスパート”として様々な優待キャンペーンが展開されることだ。
「12月に入って、インターネットのふるさと納税専用サイトが独自のキャンペーンを打ち出しています。1年間で最もお得度が増しているといえます」(丸山氏)
申し込みの手間を省くため、インターネットを使って専用サイトから寄付をするのが最も簡単だ。年末が近づき、それらのふるさと納税サイトが大盤振る舞いを始めている。
例えば楽天市場の「ふるさと納税」は最大30%、「ふるなび」は最大12%、「さとふる」は6%といった具合に、サイトごとに寄付額に応じたポイント付与などで還元を行なっている。返礼品とは別に電子マネーのポイントなどがもらえる仕組みだ。