年末が近づき、2021年のふるさと納税の締め切りが迫ってきた。ふるさと納税は自分が選んだ自治体に寄付をすると、実質負担額である2000円を引いた残りの金額が所得税と住民税から控除される制度。そのうえで寄付金額によって様々な返礼品を受け取れる。ただし、控除を受けられる寄付額には上限があり、限度額は収入や世帯構成で異なる。
ふるさと納税は、各自治体が返礼品を豪華にして納税額を増やそうとし、返礼品競争が過熱した経緯がある。そのため総務省は、2019年に「ふるさと納税の返礼品の還元率(寄付額に対する返礼品の調達額)を3割以下とする」という通達を出した。
しかし、「コロナ禍での生産者支援」という名目で農林水産省から自治体への補助金(今年3月に終了)や、生産者の自助努力などにより、実質的に還元率が3割を超える返礼品が存在する。
そのうえで12月には、期間限定で増量される返礼品があるという。
「ふるさと納税サイトで『増量』『緊急支援品』『訳あり』などで探すと、駆け込みのお得品が見つかります」──そう語るのは消費生活アドバイザーの丸山晴美氏だ。それでは、どのような返礼品を選ぶべきなのか。
丸山氏は「鶏モモ肉切身 計3kg」(宮崎県日南市、寄付額1万円)を推す。
「12月数量限定の返礼品で、国産鶏肉は高騰している食材なので、生活の助けにもなります。
『普通精米 令和3年産ヒノヒカリ 13.45kg』(福岡県久留米市、寄付額1万円)も12月限定で増量されました。評価の高いブランド米13kgに、もち麦450gがプラスされてお得です。
『紅鮭切身&秋鮭切身セット(32切)』(北海道函館市、寄付額1万2000円)は、今シーズン不漁の鮭が小分けで冷凍されているので、通年で使いやすいのもポイントです。
返礼品の選び方のコツは、まず家庭状況に応じて、“量を選ぶか質を選ぶか”を決めること。また、米や肉などメインとなる食材や、ジャガイモ、玉ねぎ、鮭、イカなど不作・不漁で高値傾向の食材を選ぶと、返礼品の恩恵を受けやすい。小分け済みなど、使い勝手のよい品も狙い目です」