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年末に泥酔・嘔吐客急増でタクシー業界の悲鳴 「個人タクシーには死活問題」

「一般的にいうと、酔っていたとはいえ“わざと”吐いたわけではないので刑法の器物損壊罪には当たりませんが、民事での賠償は発生する可能性があります。ただし、その場合でも大手のタクシー会社の場合はクリーニング代のみの請求になる可能性が高い。運転手や車両を複数抱えている法人が『営業損害賠償』を求める場合、予備の車両(遊休車)が全くない場合でなければ、営業損害は認められません。通常予備の車両が存在する大手のタクシー会社では、営業損失は発生しないと思われるため、補償を求めることは難しいと思われます。

 一方、個人タクシーの場合は予備の車両がないので、クリーニング代に加えて、本来であれば稼げたはずの利益の補償を求めることができる場合があります。ただ、その場合もすでに入っていた予約や、営業していればほぼ確実に売り上げたであろう金額について“休業による実質的な損害額”を証明できないといけません。

 どちらにせよ、タクシー側にとっても客側にとっても車内の嘔吐は深刻な問題です。もしも自分が損害を与える側になってしまった場合は、クレジットカードや火災保険などに付帯される『個人賠償責任保険』が使える可能性があります。確認しましょう」

 そんな心配をしなくてはならないのも、2年の自粛期間を経て、飲み方を忘れたために久しぶりの酒の席でついつい羽目を外すケースが増えているからだろう。年末年始、迷惑をかけて暗い気持ちでの年明けにならないように肝に銘じたい。

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