スマホ、ノートパソコン、携帯ゲーム機……。デジタルデバイスを持ち歩く際の電源確保に重宝する「モバイルバッテリー」。便利なものである反面、価格や性能、容量など様々なものがあり、自身の端末や用途、ライフスタイルに合わせないと、せっかく買ったのに使わなくなってしまうことも十分にあり得るだろう。簡単に見えて意外と難しいモバイルバッテリー選び。ユーザーたちの失敗談を紹介しよう。
予想以上に重い。軽量PCにした意味が…
「大は小を兼ねる。モバイルバッテリーもそうだと思っていましたが、私には当てはまりませんでした。いくつも買うはめになってしまったので」
そう嘆くのはメーカーに勤務する30代男性・Aさん。約2年前、主にスマホとノートパソコンの充電を目的に、大容量のモバイルバッテリーを購入した。
「コンセントがない喫茶店など出先で作業することが多くて、私用スマホ、社用スマホ、モバイルWi-Fiルーター、ノートパソコンの4台の予備電源として、モバイルバッテリーを持っておきたかったんです。特に社用スマホは、バッテリー残量に冷や冷やしたことが多かったので」(Aさん)
Aさんは当初、iPhoneの2回分くらいのバッテリー容量で十分だと考えていたが、せっかくならPCも充電できたらいいと思い、iPhone約7回分、ノートパソコンなら約1回を充電できる大容量モデルを購入した。だが、その決断があだとなった。
「当時、モバイルバッテリーが結構高くて6000円くらいしましたが、思い切って買いました。ただ、現物が届くと予想以上にずっしりと重く、持ち歩きを考慮して軽量のノートパソコンを使用している意味が薄れました」(Aさん)
結局、Aさんは大容量のモバイルバッテリーは持ち歩かなくなり、新たに小型のモバイルバッテリーを2つ購入したという。
「社用スマホ用に、1回分チャージできて、ケーブルがない一体型の小型のものを購入。会社にも、予備としてもう一つ置いておきました。そもそもノートパソコンさえしっかり充電しておけば、“母艦”としてスマホに電力を供給することもできるわけですから、緊急事態をしのぐだけなら十分。欲張って大容量を買って、仕事用としては失敗しましたが、キャンプや災害時の停電対策に使いたいと思っています」(Aさん)