森永:財務省は“増税すればするほどいい、財政はカットするほどいい”と考えている“宗教”のような組織ですからね。岸田政権の経済対策でも、今回の補正予算は35兆円規模。過去最大といわれていますが、前年度は3回にわたり合計で73兆円規模だったから、実質6割減なんですよ。それではコロナで本当に困っているところにお金は回らない。
馬渕:消費の盛り上がりにはつながりませんよね。
森永:この前も、私が出演するテレビ・ラジオ全局に忘年会を提案したけど、すべて却下。『ミヤネ屋』(日本テレビ系)の生放送で言ったら、宮根誠司さんに「それは森永さんと飲みたくないだけ」って言われたけど(笑)。
それはさておき、本気で経済をよくしたいなら、1人7万円のベーシックインカム(最低限の所得保障)を導入して、財源は全額国債にすればいい。それから消費税を廃止すれば、2ケタ成長も夢ではない。
永濱:そこまで言うなら、森永さんが日銀総裁とかになったらいいんじゃないですか(笑)。
森永:一応、立憲民主党の原口一博さんが首相になったら私が日銀総裁になるという“密約”はあったんですけどね……(笑)。
(第3回につづく)
【プロフィール】
森永卓郎(もりなが・たくろう)/1957年生まれ、東京都出身。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。『情報ライブミヤネ屋』(日本テレビ系)ほか、多数のメディアで活躍中。
永濱利廣(ながはま・としひろ)/1971年生まれ、栃木県出身。1995年、第一生命保険入社。2016年から第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミストに就任。
馬渕磨理子(まぶち・まりこ)/滋賀県出身。京大院卒。経済アナリスト。ニュース番組『FNN Live News α』(フジテレビ系)にコメンテーターとしてレギュラー出演中。
※週刊ポスト2022年1月14・21日号