教授から当てられたくない
「マスクで表情を隠すことで、教員から注目されないようにしている」という学生もいる。国立大学に通う女子学生・Bさん(21歳)は、こう話す。
「難しいディスカッションなどをする際は緊張するので、マスクで顔を隠して、先生から質問されないようにしています。簡単に言えば、私にとってマスクは自分の存在感を薄くさせるための防護服みたいなものでしょうか(笑)。
できるならば、ビデオオフにしたいのですが、そうするとやる気がない学生と思われてしまう。『ちゃんと受講する態度はあるけれども、存在感は薄い』という印象になればいいな、と思いマスクを付けています」(Bさん)
他のことをやっているのをバレないように
都内の私立大学に通う男子学生・Cさん(19歳)も、オンライン授業でマスクを着用する一人。ただ、その理由はちょっと後ろめたいものだという。
「言いづらいのですが、大人数の教養科目がオンライン授業である時は、授業に参加しながら、別のモニターで他のことをしていることが多いんです。乃木坂46の動画を見たり、『推し活』したりしているので、ニヤニヤした顔がバレないよう、マスクをしています。
教授たちは授業に真面目に参加させるために『顔出し』させていると思いますが、正直、その授業以外の“内職”をしている学生はかなりいると思いますよ。マスクはそういう油断した表情を見られるリスクが減るので、便利アイテムだと思っています」(Cさん)
自宅でオンライン授業を受ける時にもマスクを外さない学生たち。画面に顔を映すのを避けるのには、それぞれの事情があるようだ。