「そもそも6号機は出玉性能が抑えられていることもあり、基本的に人気がない。注目の新機種であっても、導入直後くらいはそれなりに客がついても、1週間くらいで客が離れてしまうケースも少なくない。その一方、数少ない5号機は、残っているという時点で人気機種であり、長年その機種を打ち続けているファンが多いということもあります。
ただ、ホールとしてはあと少しで撤去することが決まっている5号機に“高設定”を入れることはほとんどないと考えていいでしょう。今後6号機にユーザーを移行させていかなければならないわけで、5号機で客に還元してもあまり意味がないですから。6号機に高設定を入れて“意外と出る”というイメージを植え付けたほうが、メリットがあるんです。そういった事情を理解して、6号機の高設定台を狙うユーザーもそれなりにいると思います」
「これでパチスロ人生も終わり」
一方で、5号機の撤去を、「パチスロをやめるいいタイミング」と感じている人もいるようだ。都内に住む自営業の40代男性・平山さんはこう話す。
「6号機もいろいろとおもしろそうな機種が出ていますが、どうしても“まったく勝てない”という印象でしかない。勝てないギャンブルを続けるのはさすがに無理なので、5号機が撤去されたら、パチスロをやめようと思っています。
なので、残りわずかのパチスロライフを満喫するつもりで、5号機を打ちまくっています。私が好きなのは、『パチスロ北斗の拳 修羅の国篇』とか『パチスロコードギアス 反逆のルルーシュR2』あたり。昨年末くらいからそれらの5号機を打っていますが、笑っちゃうくらい勝てません。1日に3万円くらい負けることもザラ。おそらく、僕が打ってる5号機の設定は全部1だと思います。確実に負けるということはわかっていますが、これでパチスロ人生も終わりになると思って、楽しんでいます」
平山さんのような5号機ファンがパチスロをやめたならば、今後の業界はどうなっていくのだろうか。
「パチスロは出玉機能の規制と緩和を繰り返してきた歴史があり、6号機についても客が離れれば、今後出玉規制の緩和が進む可能性はあると思います。4号機から5号機に移行したときも、同様に出玉性能が低いということでユーザーが減りましたが、その後5号機の出玉機能が高まったことで、新たなユーザー獲得に繋がりました。多少時間はかかるでしょうが、そういった流れを繰り返した末に、6号機がユーザーに受け入れられる時はくるでしょう。
あるいは、パチスロからパチンコに移行するユーザーも増えるかもいれません。パチンコの方はパチスロに比べれば規制は緩めですし、爆発力の高いP機も多い。当分は“パチンコの時代”となるのではないでしょうか」(藤井氏)
パチスロの一時代が終わる2022年1月。負けを覚悟で打っている5号機ファンの懐事情も心配になってくる。