そんなAさんは昨年、新たにデジカメを購入することになる。選んだのは、ミラーレスではなく、「高級コンデジ」だった。
「仕事の関係で写真を撮る機会が増えたんですが、スマホだけではちょっと心もとないということで、新たなデジカメを買うことにしたんです。でも、ミラーレスでさえ持て余していたので、今度はコンデジにしようと。ただ、安いコンデジだとスマホと変わらないし、光学ズームも欲しいなということで、15万円くらいするソニーのコンデジを買いました。
コンデジで15万円はちょっと高いかなとは思いつつも、ミラーレスに匹敵するくらいの性能ということで購入を決断。結論から言って大正解でしたね。ボディが小さくて持ち運びしやすいし、レンズを交換する手間もない。画質はミラーレスのほうがいいのかもしれませんが、そこまでこだわって撮影しているわけでもない。オートフォーカスの速度や連写の速度にも満足できているので、自分にとっては充分です」(Aさん)
性能よりも使い勝手を優先
都内在住の会社員Bさん(30代女性)は、長年ミラーレスを使用している。
「初めてミラーレスを買ったのは10年ほど前。そこから5年前くらい経って新しいミラーレスを買い、いま使っているのは2台目です。それなりに値段がするレンズもちゃんと買って、自分ではそこそこ活用している方だと思います。ただ難点があって、私のズボラな性格のせいなんですが、レンズのキャップをよく失くしてしまい、何度か買う羽目になっています。あと、バッテリーの持ちがあまり良くないので、つねにスペアのバッテリーも持っているんですが、それを失くしたこともあります」(Bさん)
そんなBさんも最近、高級コンデジを使うようになったという。
「会社の備品として新しくカメラを買うことになったんです。会社の経費で買うので、それなりに高い一眼レフでも良かったんですが、10万円以上する高級コンデジを提案しました。ミラーレスより簡単に扱えるし、自動開閉式なのでレンズキャップはなく、失くすストレスもありません。
私としても、最近はスマホで撮影することに慣れちゃっていて、できるだけ手軽にサクサク写真を取りたいという気持ちが強くなっていたというのもあります。ミラーレスのほうが暗い場所での撮影に強かったり、手ブレ補正が高性能だったりというメリットもありますが、もはや性能というよりも使い勝手を優先したという感じです」(Bさん)
「高級コンデジ」なら、専門的な知識がなくても楽しめる。カメラ初心者にうれしい選択肢として、今後その需要がますます高まっていくかもしれない。