長期化するコロナ禍により、多くの人が苦境に喘いでいる。独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が全国約5000人の会社員・フリーランスを対象に行った調査(2021年6月実施)では、回答者の約4人に1人が新型コロナウイルス発生前よりも世帯の生活の程度が「低下した」と回答。健康面だけでなく、経済面でも不安が大きい新型コロナの影響は、未婚カップルにも及んでいるようだ。最近、交際男性との付き合いに変化が起きたという30代の女性に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。コロナ禍で恋愛事情はどう変化しているのか──。
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埼玉県在住の保育士、アイさん(仮名・33歳)は、現在交際している男性との関係に不安を感じていた。
「先日、彼から『もうお金ないから、コロナが収束して収入が復活するまでは記念日とかイベントは無しにしたい』と言われてしまいました。彼の事情も分かるのですが、近づいてきたバレンタインを1人で過ごすことになったら、ショックで立ち直れなさそうです……」(アイさん、以下同)
アイさんの交際相手は40代後半で、製造業の非正規職員として働いている。出会いは3年前、共通の趣味であるオンラインゲームを通じてだったそうだ。男性の職場は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けており、自宅待機や出勤調整が繰り返されているという。この間、不安定な収入が続いているせいか、アイさんによると「最近の彼は冷たい。様子がおかしい」そうだ。
「これを機に、彼と話し合いの場を持つことになりました。記念日などのイベントは一緒に居たい、お金をかけなくても楽しく過ごすことはできる、と彼に力説したんです。しかし彼は微妙な表情。問い詰めると、『最初はそう言っていても、結局お金がかかる方向に進むから信じられない』と言われたんです。思い返してみれば確かにそうだったかもしれません。でも私なりの理由もあるんですよ」
アイさん曰く、自分はお金をかけてもらうことが愛情の証だと感じるタイプだという。交際相手の負担が大きくなってしまうことは理解しているため考えを改めようとは思っているものの、結局は我慢できず、イベントごとに高価なプレゼントを要求してしまうとのことだった。昨年のクリスマスには3万円のネックレス、誕生日プレゼントには2万円のショルダーバッグをおねだりしたそうだ。ちなみにアイさんから男性へのプレゼントは、手料理などが中心だという。