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店は「嫌ならヨソへどうぞ」のスタンス… これは「殿様商売」か「需要と供給」か

相場の数倍の値段をふっかけられて…

 Sさん(40代男性)は、弟の結婚式で地元に戻った際、母親の体験談を聞かされた。Sさんの実家があるのは宮城県某市。平成の大合併で吸収される前は「○○郡」だった“ど田舎”(Sさん談)だ。母親は息子の結婚式で着物を着ることを望んだが、着付けを頼んだらその値段に目を丸くしたという。

「弟の結婚式は6月で、結婚式場は大混雑。新婦の着付けは式場でやってもらえますが、母親の分まではダメでした。やむなく出張を頼むことになりましたが、『6月』『大安』『週末』の3点セットで着付け業者は出払っており、ようやく見つけた美容院からは相場の数倍の値段をふっかけられました」(Sさん)

 店にとっては「年に何回かのかきいれ時」ということで、「ここを逃すと経営が成り立たなくなる」と考えているのかもしれないが、客の側からすれば「なんでこんなに高いのか……」という嘆きにもつながってくる。需要と供給のバランスではあるのだろうが、納得できない客もいるようだ。

 似たような経験があるというは、東京都に住むIさん(30代男性)だ。

「大学の卒論を出す際には“製本”をするのがマストでした。大学の近辺には製本屋が何軒もあり、どこもだいたい同じ価格ですが、提出締切日直前に行ったら、数倍の価格を提示され、『よそへ行っても同じだよ』『卒論を出さなきゃ卒業できないよ』などと嫌味たっぷりに言われ、泣く泣く言われた通りの額を払いました」(Iさん)

 利用者にとっては他に選択肢がないだけに、結局は利用せざるを得ない。店側からすれば需要と供給を考慮した「賢いビジネス」とも言えるのだろうが、不満を抱えている利用者は少なからずいるようだ。

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