会社に対して不満が募っていたカスミさんに、さらなる追い打ちが襲いかかる。それは、勤める会社の業績悪化だった。
「コロナの影響かは定かではありませんが、昨年の冬のボーナスは2万円しか出ませんでした。『来年度の昇給はなさそうだよね』と話す社員もいます。特別な事情がないと残業も許可されないので、仕事を自宅に持ち帰っている状況です。一生懸命働いてもこの先未来がないと思ったら、絶望してしまいました。この先ずっと収入が上がらなければ、将来のための貯金も増やすことができず、厳しいです……」
カスミさん曰く、収入アップが見込めないとなると、今の家賃を支払い続けることも厳しくなるだろうと感じているそうだ。このままリモートワークができず出社する状況が続くなら、会社から近い実家に戻ることも視野に入れているという。
コロナ禍をきっかけに、新しい働き方として広まったリモートワークではあるが、企業や部署により、社員を出社させる方向へ舵を切ったところもあるようだ。コロナ収束の先行きが不透明である以上、変化する状況に柔軟に対応できるよう、金銭的余裕のある範囲で環境を整えるほうが安全かもしれない。